アルミの特性

一般社団法人日本アルミニウム協会 アルミニウムハンドブック第6版より抜粋

合金系統 JIS呼称 一般質別 機械的性質の代表値
質別 引張強さ
(N/m㎡)
耐力
(N/m㎡)
伸び(%)
―――
板棒
ブリネル硬さ
HB
せん断
(N/m㎡)
疲れ強さ
(N/m㎡)
純アルミ
(1000系)
純度が99%
以上のアルミ
1060 O,H112,H O 70 30 43 19 50 20
1080 O,H112,H O 68 29 50 18
1070 O,H112,H O 68 29 40 18
1050 O,H112,H O 78 34 40 20 64 29
1100 O,H112,H O 90 35 35 42 23 60 35
AI-Cu
(2000系)
アルミニウムに
銅を加えて強度や
硬さを増したもの
2011 T3,T8 T8 405 310 10 100 240 125
2014 O,T4,T6 T6 485 415 11 135 290 125
2017 O,T4 T4 425 275 20 105 260 125
2024 O,T4 T4 470 325 20 17 120 285 140
2219 O,T3,T4,T6,T8 T851 455 350 10 105
AI-Mg
(5000系)
アルミニウムに
0.3~5.6%の
マグネシウムを
加えた合金
5005 O,H112,H O 125 40 25 28 75
5052 O,H112,H H34 260 215 10 12 68 145 125
5056 O,H112,H H34 294 245 12 98 221 152
5083 O,H112,H O 290 145 20 170 108
Al-Mg-Si
(6000系)
アルミニウムに
マグネシウムと
シリコンを加えた合金
6061 O,T4,T6,T8 T6 310 275 12 15 95 205 95
6063 O,T1,T5,T6,T8 T5 185 145 12 60 115 70
6N01 O,T5,T6 T5 270 225 12 88 95
6101 T6 T6 220 195 15 71 140
Al-Zn-Mg
(7000系)
アルミニウムに
3~8%の亜鉛と
少量のマグネシウム
・銅を加えた合金
7003 T5 T5 315 255 15 85 125
7N01 O,T4,T5,T6 T6 360 295 15 100 305
7075 O,T6 T6 570 505 11 9 150 330 160
合金系統 JIS呼称 物理的性質の代表値
比重
(20℃)
溶融温度範囲
(℃)
銃弾性係数
(×1000kgf/m㎡)
導電率(20℃)
IACS(%)
熱導電率
(cal/℃・cm・
sec)
線膨張係数
(20~100℃)
×10-6
純アルミ
(1000系)
純度が99%
以上のアルミ
1060 2.70 646~657 7.0 62 0.56 23.8
1080 2.70 646~657 7.0 62 0.56 24.0
1070 2.70 646~657 7.0 62 0.56 24.0
1050 2.70 646~657 7.0 61 0.56 23.6
1100 2.71 643~657 7.0 59 0.53 23.6
AI-Cu
(2000系)
アルミニウムに
銅を加えて強度や
硬さを増したもの
2011 2.82 541~638 7.2 45 0.41 22.9
2014 2.80 507~638 7.5 40 0.37 23.0
2017 2.79 513~640 7.4 34 0.32 23.6
2024 2.77 502~638 7.5 30 0.29 23.2
2219 2.84 543~643 7.4 30 0.31 22.5
AI-Mg
(5000系)
アルミニウムに
0.3~5.6%の
マグネシウムを
加えた合金
5005 2.70 632~652 7.0 52 0.48 23.8
5052 2.69 607~649 7.2 35 0.33 23.8
5056 2.64 568~638 7.2 27 0.26 24.3
5083 2.66 574~638 7.2 29 0.28 23.4
Al-Mg-Si
(6000系)
アルミニウムに
マグネシウムと
シリコンを加えた合金
6061 2.70 582~652 7.0 43 0.40 23.6
6063 2.69 615~655 7.0 55 0.50 23.4
6N01 2.70 615~652 7.0 46 0.45 23.5
6101 2.70 610~650 7.0 57 0.52 23.8
Al-Zn-Mg
(7000系)
アルミニウムに
3~8%の亜鉛と
少量のマグネシウム
・銅を加えた合金
7003 2.79 620~650 7.3 37 0.36
7N01 2.78 620~650 7.3 36 0.33 23.4
7075 2.80 477~635 7.3 33 0.31 23.6
合金系統 JIS呼称 化学成分(%)
Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ti その他 Al
純アルミ
(1000系)
純度が99%
以上のアルミ
1060 0.25 0.35 0.05 0.03 0.03 0.05 0.03 99.60以上
1080 0.15 0.15 0.03 0.02 0.02 0.03 0.03 Ga0.03,V0.05 99.80以上
1070 0.20 0.25 0.04 0.03 0.03 0.04 0.03 V0.05 99.70以上
1050 0.25 0.40 0.05 0.05 0.05 0.05 0.03 V0.05 99.50以上
1100 Si+Fe0.95 0.05
~0.20
0.05 0.10 99.00以上
AI-Cu
(2000系)
アルミニウムに
銅を加えて強度や
硬さを増したもの
2011 0.40 0.7 5.0
~6.0
0.30 P60.20~0.6
Bi0.20~0.6
残部
2014 0.50
~1.2
0.7 3.9
~5.0
0.40k
~1.2
0.20
~0.8
0.10 0.25 0.15 Zr+Ti0.20
2017 0.20
~0.8
0.7 3.5
~4.5
0.40
~1.0
0.40
~0.8
0.10 0.25 0.15 Zr+Ti0.20
2024 0.50 0.50 3.8
~4.9
0.30
~0.9
1.2
~1.8
0.10 0.25 0.15 Zr+Ti0.20
2219 0.20 0.30 5.8
~6.8
0.20
~0.40
0.02 0.10 0.02
~.0.10
P60.20~0.6
Bi0.20~0.6
AI-Mg
(5000系)
アルミニウムに
0.3~5.6%の
マグネシウムを
加えた合金
5005 0.30 0.7 0.20 0.20 0.50
~1.1
0.10 0.25
5052 0.25 0.40 0.10 0.10 2.2
~2.8
0.15
~0.35
0.10
5056 0.30 0.40 0.10 0.05
~0.20
4.5
~5.6
0.05
~0.20
0.10
5083 0.40 0.40 0.10 0.40
~1.0
4.0
~4.9
0.05
~0.25
0.25 0.15
Al-Mg-Si
(6000系)
アルミニウムに
マグネシウムと
シリコンを加えた合金
6061 0.40
~0.8
0.7 0.15
~0.40
0.15 0.8
~1.2
0.04
~0.35
0.25 0.15
6063 0.20
~0.6
0.35 0.10 0.10 0.45
~0.9
0.10 0.10 0.10
6N01 0.40
~0.9
0.35 0.35 0.50 0.40
~0.8
0.30 0.25 0.10 Mn+Cr0.50
6101 0.3
~0.7
0.50 0.10 0.03 0.35
~0.8
0.03 0.10 B0.06
Al-Zn-Mg
(7000系)
アルミニウムに
3~8%の亜鉛と
少量のマグネシウム
・銅を加えた合金
7003 0.30 0.35 0.20 0.30 0.50
~1.0
0.20 5.0
~6.5
0.20 Zr0.05~0.25
7N01 0.30 0.35 0.20 0.20
~0.7
1.0
~2.0
0.30 4.0
~5.0
0.20 Zr0.25~V0.10
7075 0.40 0.50 1.2
~2.0
0.30 2.1
~2.9
0.18
~0.28
5.1
~6.1
0.20 Zr+Ti0.25

※ 範囲で表示していない数値は最大値を示す。
※ 数値は代表値で、現規格値はJISハンドブック等でご確認下さい。

合金系統 JIS呼称 材料特性の概要 用途
純アルミ
(1000系)
純度が99%
以上のアルミ
1060 導電材で61%lACS保証。強度を必要とするときは6101を使用する。 ブスバーなどの導電用
1080 成形成、表面処理性が優れ、溶接性も良い。耐食性はアルミニウム合金中最良である。強度は純アルミニウムであるため低いが、純度が低くなるにつれて多少高くなる。 銘板、装飾品、化学工業タンク類、熱交換器、科学装置、配管用
1070
1050 熱交換器、科学装置、装飾品、複写機ドラム、廃刊その他一般用
1100 Al純度が99.0%以上の一般用途のアルミニウム。陽極酸化処理後外観がやや白っぽくなる以外は上記と同じ。 台所用品、フィン、キャップ、
印刷板建材
AI-Cu
(2000系)
アルミニウムに
銅を加えて強度や
硬さを増したもの
2011 快削合金。切削性が優れ、強度も高いが、耐食性が劣る。 自動機用快削棒
(スーパーマシナロイ)
2014 Cuを多く含むため、耐食性はよくないが、強度が高く、構造用材として使用される。鍛造用に適用される。 航空機、自動車、二輪車などの各種機器部品、鍛造用
2017 航空機、自動車、二輪車などの各種機器部品、一般切削用
2024 航空機、自動車などの各種機械部品
2219 高温強度に優れ、溶接性も良い。耐食性も2000系では良好。 航空宇宙機器、高温、低音用
AI-Mg
(5000系)
アルミニウムに
0.3~5.6%の
マグネシウムを
加えた合金
5005 加工性、耐食性が優れる。陽極酸化後の仕上がりが良好で、6063型材とよくカラーマッチする。 建設用内外装、車両、船舶の内装
5052 中程度の強度を持った最も代表的な合金で、耐食性、加工性が良い。特に強度のわりに疲労度が高く、耐海水性が優れている。 純アルミよりやや強度のある一般用、事務機器、カメラ
5056 耐食性に優れ、切削加工による表面仕上がり、陽極酸化処理性とその染色性が良い。 純アルミより強度のある一般用、切削用、カメラ、事務機器
5083 溶接構造用合金。実用非熱処理合金の中で最も強度の高い耐食合金で溶接構造に適する。耐海水性、低音特性も良い。 溶接構造、配管用
Al-Mg-Si
(6000系)
アルミニウムに
マグネシウムと
シリコンを加えた合金
6061 熱処理型の耐食性合金。T6処理によりかなり高い耐力値が得られるが、溶接継手強度が劣るためボルト、リベット構造用に。 耐食性、強度を必要とする用途、配管、軟式用バット
6063 代表的な押出用合金。6061より強度は低いが、押出性に優れ、複雑な断面形状の型材が得られ、耐食性、表面処理も良好。 家具、日用品、配管その他一般用、エアーシリンダ菅、コピードラム
6N01 中強度の押出用合金。6061と6063中間の強度を有し、押出性、プレス焼入性とも優れ、複雑な形状の大型形材が得られる。耐食性も良く溶接も可能。 車両、陸上構造物用、船舶
6101 高強度導電用材。55%IACS保証。 ブスバー、電線
Al-Zn-Mg
(7000系)
アルミニウムに
3~8%の亜鉛と
少量のマグネシウム
・銅を加えた合金
7003 7N01より強度は若干低いが、押出性がよく、薄肉の大型形材が得られる。 車両
7N01 溶接構造用合金。強度が高く、しかも溶接部の強度が常温放置により、母材強度に近いところまで回復する。耐食性もかなり良好。 溶接構造用
7075 アルミニウム合金中最高の強度を有する合金の一つであるが、耐食性は劣る。7072とのクラッドにより耐食性は改善されるがコストが高い。 強度最高、航空機などの機器部品