ステンレスの特性2

JISG4303より抜粋

分類 銅種 化学成分(%)
C Si Mn P S Ni Cr Mo Cu N その他
マンテンサイト系
(130系)
SUS403 0.15
以下
0.50
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 11.50
~13.00
SUS410 0.15
以下
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 11.50
~13.50
SUS410J1 0.08
~0.18
0.60
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 11.50
~14.00
0.30
~0.6
SUS416 0.15
以下
1.00
以下
0.060
以下
0.060
以下
0.15
以下
(2) 12.00
~14.00
(1)
SUS420J1 0.16
~0.25
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 12.00
~14.00
SUS420J2 0.26
~0.40
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 12.00
~14.00
SUS420F 0.26
~0.40
1.25
以下
1.25
以下
0.060
以下
0.150
以下
(2) 12.00
~14.00
(1)
SUS431 0.20
以下
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
1.25
~2.50
15.00
~17.00
SUS440A 0.60
~0.75
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 16.00
~18.00
(3)
SUS440B 0.95
~0.95
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 16.00
~18.00
(3)
SUS440C 0.95
~1.20
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
(2) 16.00
~18.00
(3)
SUS440F 0.95
~1.20
1.00
以下
1.00
以下
0.060
以下
0.150
以下
(2) 16.00
~18.00
(3)
析出硬化系
(17Cr系)
SUS630 0.07
以下
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
以下
3.00
~5.00
15.00
~17.50
3.00
~5.00
Nb0.15
~0.45
SUS631 0.09
以下
1.00
以下
1.00
以下
0.040
以下
0.030
5.00
6.50
~7.75
16.00
~18.00
Nb0.75
~1.5

(1)Moは0.60%以下添加することができる。
(2)Niは0.60%以下含有しても差し支えない。
(3)Moは0.75%以下添加することができる。

分類 銅種 熱処理
マンテンサイト系
(130系)
SUS403 焼入れ
焼戻し
950~1000油冷
700~750急冷
SUS410 焼入れ
焼戻し
950~1000油冷
700~750急冷
SUS410J1 焼入れ
焼戻し
970~1020油冷
650~750急冷
SUS416 焼入れ
焼戻し
950~1000油冷
700~750急冷
SUS420J1 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
600~750急冷
SUS420J2 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
600~750急冷
SUS420F 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
600~750急冷
SUS431 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
630~700急冷
SUS440A 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
100~180空冷
SUS440B 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
100~180空冷
SUS440C 焼入れ
焼戻し
920~980油冷
100~180空冷
SUS440F 焼入れ
焼戻し
1010~1070油冷
100~180空冷
析出硬化系
(17Cr系)
SUS630 固定化
熱処理
S1020~1060急冷
析出
硬化熱
処理
H900 S処理後470~490空冷
H1025 S処理後540~560空冷
H1075 S処理後570~590空冷
H1150 S処理後610~630空冷
SUS631 固定化
熱処理
S1000~1100急冷
析出
硬化熱
処理
TH1050S処理後760±15℃に90分保持、1時間以内に15℃以下に冷却、30分保持、565±10℃に90分保持後空冷。
PH950S処理後955±10℃に10分保持、室温まで空冷、24時間以内に-73±6℃に8時間保持、510±10℃に60分保持後空冷。
分類 銅種 機械的性質の代表値
耐力
(N/m㎡)
引張強さ
(N/m㎡)
絞り
(%)
伸び
(%)
硬さ
(HB)
(HRB) (HV) 比重
(20℃)
磁性
マンテンサイト系
(130系)
SUS403 390
以下
590
以下
55
以下
25
以下
170
以下
7.75 磁性
SUS410 345
以下
540
以下
55
以下
25
以下
159
以下
7.75 磁性
SUS410J1 490
以下
690
以下
60
以下
20
以下
192
以下
7.75 磁性
SUS416 345
以下
540
以下
45
以下
17
以下
159
以下
7.75 磁性
SUS420J1 440
以下
640
以下
50
以下
20
以下
192
以下
7.75 磁性
SUS420J2 540
以下
740
以下
40
以下
12
以下
217
以上
7.75 磁性
SUS420F 540
以下
740
以下
35
以下
8
以下
217
以上
7.75 磁性
SUS431 590
以下
780
以下
40
以下
15
以下
229
以上
7.75 磁性
SUS440A 54
以下
7.70 磁性
SUS440B 58
以下
7.70 磁性
SUS440C 58
以下
7.70 磁性
SUS440F 58
以下
7.70 磁性
析出硬化系
(17Cr系)
SUS630 363
以上
38
以下
7.93 磁性
1175
以下
1310
以下
40
以下
10
以下
375
以上
40
以下
1000
以下
1070
以下
45
以下
12
以下
331
以上
35
以下
860
以下
1000
以下
45
以下
13
以下
302
以上
31
以下
725
以下
930
以下
50
以下
18
以下
277
以上
28
以下
SUS631 380
以下
1030
以下
20
以下
229
以上
7.93 磁性
960
以下
1140
以下
25
以下
5
以下
363
以上
1030
以下
1230
以下
10
以下
4
以下
388
以上
分類 銅種 材料特性の概要 用途
マンテンサイト系
(130系)
SUS403 13Cr低Si、SUS420J1より耐食性を向上し、かつ熱処理後の靭性を改良した耐熱銅 バルブ、ボンブシャフト、刃物、蒸気、タービン翼ジェットエンジン部品
SUS410 SUS420J1より耐食性を向上し、良好な機械加工性を持つ。 機械部品、治工具、金型、刃物類
SUS410J1 SUS410より耐食性、抗クリープ性を向上させたもの。 蒸気タービン翼など高温で力のかかる部品。
SUS416 S、Pの添加により被削性を向上。SUS420J1に比べ耐食性は劣る。 バルブ、ボルト、ナット、
気化器部品
SUS420J1 13Cr銅の基準型。焼き入れ後、高硬度が得られる。 各種シャフト類、刃物、医療機器、
プラスチック型ばね
SUS420J2 SUS420J1より炭素量を多くし、焼き入れ後更に高硬度が得られる。
SUS420F SUS420J2にS、Pの添加し、より被削性を向上させた改良銅種。
SUS431 Niにて靭性を改良、Cr添加にて耐食性を向上させたもの。耐食性はSUS410、430より優れる。 航空機部品、製紙機械、
船舶用シャフト
SUS440A 焼き入れ後の硬度が高く、耐食性と耐磨耗性を兼備する。硬度ではSUS440Cがステンレス銅中最高硬度となり、硬度順はSUS440C>440B>440A、耐磨耗性

 

刃物、治具受け、ゲージ類、ベアリング、ポンプ部品ノズル、金型
SUS440B
SUS440C
SUS440F SUS440Cの被削性を改良したもの。
析出硬化系
(17Cr系)
SUS630 Cuの添加で析出硬化を持たせたもの。SUS304の2倍の強度、耐食性も同等。 タービン部品、スチールベルト、
シャフト
SUS631 SUS301にAlを添加し析出硬化により高めたもの。 スプリング、ワッシャー、計器部品、他腐食環境でばね特性が要求される部品。
分類 銅種 磁性 焼入れ硬化性 加工硬化性 耐食耐候性 衝撃と伸び
オーステナイト系
(18Cr-8Ni系)
SUS304
SUS316
非磁性 焼入れ硬化性無 加工硬化性大、ニッケル含有量の多い鋼種は加工硬化が少ない 優れた特性を有している 良好、成型性に富む
フェライト系
(18Cr系)
SUS430 磁性 焼入れ硬化性無 冷間加工で多少の硬化が認められる 内装用としては腐食の心配はないが屋外の使用には問題がある オーステナイト系に比べて劣る
マンテンサイト系
(130系)
SUS410 磁性 焼入れ硬化性有、炭素含有量の多いものは冷却後に割れやすい 軟鋼と同じ傾向の加工軟化性を示す 劣る オーステナイト系に比べて劣る
分類 銅種 溶接性 耐低温性 方向性 熱伝導 熱膨張
オーステナイト系
(18Cr-8Ni系)
SUS304
SUS316
溶接性は最も良好、溶接の際、500~800℃の温度範囲に過熱すると耐食性が劣化する ‘-20℃まで靭性が低下しない 方向性はほとんどない 軟鋼の
約3分の1
軟鋼の
約1.5倍
フェライト系
(18Cr系)
SUS430 溶接性はやや劣る、高温に過熱すると、熱影響部の結晶粒が粗大化してぜい化する ‘-10℃以下ではもろい 方向性あり、圧延の目に直角に曲げるようにする 軟鋼の
約2分の1
軟鋼と
ほぼ同じ
マンテンサイト系
(130系)
SUS410 溶接性はよくない、余熱、後熱処理をしないと溶接割れを生じる ‘-10℃以下ではもろい 方向性あり 軟鋼の
約2分の1
軟鋼と
ほぼ同じ