精密加工の定義

一般的な部品を作り出す方法は、大きく２つに分けることが可能です。1つ目が、「型を作って、その型でできる部品を量産していく方法」、2つ目が「ある材料から様々な工具や機械を使用して任意の形に削り出していく方法」になります。

1つ目の「型を作って、その型でできる部品を量産していく方法」は携帯電話やパソコンの筐体などの樹脂部品や自動車のボデーなどの金属プレス部品やエンジンのシリンダブロックなどの鋳物部品などになり、私たちに身近なものの大半が作りあげられる方法になっています。この方法は一度型を作ってしまえば、そのコピーを作ることでコストを安くし、材料代も最小限に抑えることができるメリットがあります。しかし、型を使っての製品はその性質、高い精度（数ミクロン～数十ミクロン）が要求されるような加工をすることができません。

2つ目の「ある材料から様々な工具や機械を使用して任意の形に削り出していく方法」は1つ1つの部品を素材から作っていくことになるため、部品を作るために手間がかかりコスト高になります。しかし、型を作らなくても生産をすることができるため、少量多品種生産に強いと言うメリットがあります。実際にエンジンは鋳型から作った鋳物から精度が必要なところは切削加工を行い2つの方法によって製造されています。この削り出しによる方法は、その高い精度（数ミクロン～数十ミクロン）が要求される場合に、それに応じた刃物や機械を適切に使用し、切削や研磨加工を行うことで精度を出すことが可能です。

本章では「精密加工」を数ミクロンから数十ミクロンの加工と定義として、その内容を紹介していきます。どうすればこの精密加工を行えるかというところに焦点を当てていきたいと思います。

精密加工とは数ミクロンから数十ミクロンを要求する加工になります。この制度を実現するとなると、材料や形状に応じて様々な刃物や機械を適切に選択する必要があり、切削加工や研磨加工の高い技術が必要になってきます。