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大物・大型のベースプレート加工における 重要な点

大物・大型のベースプレート加工における 重要な点

ベースプレートとは

ベースプレートとは、機械や構造物を構築する際に、基盤として使用される平らなプレートのことです。また、機械加工においては、治工具を置いたり固定したりするテーブルとしても利用されます。ベースプレートはどのような分野においても、基礎になる平らな板であることには変わりません。しかし、使われる分野によって定義や使い方が異なるため、加工においては注意が必要です。

 

機械設計におけるベースプレートの重要な点

機械設計におけるベースプレートには、主に次のような点が求められます。

安定性

機械や装置の荷重を適切に支えたり、機械や装置が動作する際に発生する振動を吸収したりするなど、基礎として安定している必要があります。また、機械や装置を動かす際にそれらが移動しないように支え、長い間使っていても変形せずに、それらの位置関係が変わらないことも求められます。

材質の選定

ベースプレートの材料は、機械の用途や使用環境によって選定しなければいけません。まず、最初に考慮すべきなのは、ベースプレートにかかる荷重です。大きな荷重がかかる場合には、剛性が高く耐久性のある材料が必要です。さらに温度変化が大きい環境では、温度による膨張や収縮が少ない素材を選ばなければいけません。また、水を使用する機械、装置だったり、湿度の高い場所で使用したりする場合には、防錆処理などの追加処理も必要になります。

寸法精度

ベースプレートには多くの取り付け穴や溝が設けられます。穴にボルトを通したり、溝を使って機械や装置を固定したりするからです。それらの穴や溝の寸法精度は、そのまま機械や装置の精度として反映されます。そのため、ベースプレートの寸法精度はとても大切です。 また、設計変更やメンテナンスのために、機械や装置がベースプレートから取り外されることもあります。再取り付け後にも同じ条件で使用できるよう、ベースプレートの精度が必要なのです。

 

当社の大物・大型ベースプレート加工について

当社もお客様から「長尺部品以外も加工できる?」や 『ベースプレートって加工できる?』とお問い合わせをいただきますが、当社は長尺部品のみならずベースプレートも加工いたします。長尺部品加工はもちろん、最大幅900mm×長さ3000mmのベースプレートの加工を承っております。長尺同様、研削レスで精度よく仕上げるために形状、精度に応じた材料を選定しお客様のご要望の精度に仕上げていきます。対応材種は、鉄・アルミはもちろんステンレスも対応しており、社内で面加工も行うため材料規格のない厚み寸法や精度にも対応いたします。また、平面・平行度ともに±20μmまで実現可能です。

ベースプレートの加工事例

①アルミ A5052 ベースプレート 幾何公差0.01

材質はA5052アルミ、厚み30ミリ幅500ミリ全長500ミリのプレート部品です。平面に穴加工と切り欠け加工をしています。中央付近の穴はφ80とφ240でピッチ間精度は±0.02となります。アルミは加工性が良好で様々な形状に加工しやすい反面、切粉による傷や打痕など各工程の注意が必要な素材です。本製品は厚みや穴加工に厳しい精度保証が求められる製品のため厚みを研削加工をしています。研削工程においてアルミは磁性が無く、また目詰まりも起こしやすい素材となり、加工にはノウハウが必要となります。弊社はマシニング加工で精度を平面度0.03に仕上げる事により研削工程での仕上げが容易になり精度保証やリードタイム短縮につなげています。本製品は厚み部分の平面度・平行度0.01、基準面と穴加工部分の直角度0.01となります。

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②ベースプレート部品 S50C 長尺プレート

材質がS50C、厚み25ミリ幅300ミリ全長1300ミリのプレート部品です。平面にタップ加工とザグリ加工、精度穴の加工及び両端に深さ10ミリの段落ち加工をしています。精度穴のピッチ間精度は±0.02ミリです。ベースプレートは製品の要となり厳しい精度が求められる部品です。製品の長さが長くなるほど反りや歪の影響を受け精度保証が難しくなります。弊社では製品の形状や精度に応じて社内で打ち合わせを行い、最適な条件で加工を行います。材料の選定や加工方法など入念な打ち合わせを行うことが高品質な製品に仕上げることに繋がります。本製品は研削レス加工ながら平面及び段落ち部の平行度を0.02に仕上げた事例となります。

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③S50C 長尺ベースプレート

S50C 長尺ベースプレート

材質S50Cの厚み25ミリ、幅300ミリ、長さ1500ミリの長尺加工部品です。側面にタップ加工、平面上に穴加工とポケット加工、タップ加工を行っております。ベースプレートは機械の最下部にあり、床面に据え付け機械を固定する役割を持つ部品となります。各種機械の中でそれぞれの部品を取り付けて保持、固定を行うベース部品は、位置の精度が重要となります。

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④純チタンベースプレート

純チタンプレート

厚み20ミリの純チタンプレート部品です。深さ10ミリの段加工、長孔加工、角溝掘り込み箇所などあります。平面上にこれだけの削り加工があると、工具選択や加工歪などの問題がありますが、社内加工データによる最適な加工を行い精度の高い部品を製作します。チタンは高い強度と耐食性を持ち軽量で、他の金属と比較しても、抜群の性質を持っている金属です。

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最後に

長尺部品加工センターを運営する城陽富士工業では、ミクロン単位の超高精度加工や横型加工など、お客様のあらゆるニーズにお応えする加工技術を保有しております。プレート加工に関するお悩みはもちろん、是非、当社までご相談ください。

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