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なぜ形鋼・異形材の加工は難しいのか?

なぜ形鋼・異形材の加工は難しいのか?

形鋼・異形材は、建築や産業機械の骨組みを支える重要な素材として広く利用されており、物流業界においては、キャリッジフレームやパレット部品などに活用されています。
ですが、H鋼をはじめとする形鋼やアングル材・チャンネル材といった異形材は、断面形状が独特であるため、加工時に変形が生じやすく、高精度に仕上げることが容易ではありません。
なぜ形鋼・異形材の加工が難しいのか。その背景には、形鋼・異形材特有の技術的な課題があります。

形鋼・異形材の加工における代表的な技術的課題

形鋼・異形材ゆえの固定の難しさ

形鋼・異形材は断面形状が「H型」「L型」「コ型」と、平らな面が少ないため、形状的に加工機に平らに置いてしっかりと固定することが難しいです。さらに、長尺材の場合、加工中の振動やたわみが発生しやすく、その影響で正確な穴あけ加工や溝加工が困難になります。

高硬度による切削工具への大きな負担

形鋼・異形材は高い硬度を持つため、切削加工時には刃物や工具への負担が非常に大きくなります。その結果、工具の摩耗や刃先の損傷が発生しやすく、加工効率が低下し、仕上がり精度も悪化します。摩耗が進行すると切削抵抗が増加し、発熱やバリの発生、寸法精度の乱れなど、さらなる不良を引き起こす可能性もあります。

搬入困難と工程複雑化 

形鋼・異形材は建築用の柱やレールなどの長尺部品として用いられることが多く、長さが数メートル以上になると、マシニングセンタに収まらなかったり、加工機への搬入そのものが困難になったりします。そのため、あらかじめ搬入方法を考慮しないと、機械に入れることができない場合がございます。

形鋼・異形材の加工における当社の強みと高精度実現力

当社では豊富な形鋼・異形材(アングル形状・チャンネル形状)加工の実績や特殊形状材などの追加工に多くの実績があります。さらに、穴あけや溝加工、直角出しなど、多様な加工に対応しております。

長尺の形鋼・異形材などの加工には、歪みや構造上の制約、高い精度要求など、多くのハードルがあります。当社はこうした課題を克服し、搬送設備やレール部品をはじめとする幅広い分野で、高精度かつ信頼性の高い製品をお届けしています。

当社の形鋼の加工事例についてもご紹介いたします。

当社のH鋼の加工事例のご紹介

ステンレス SUS303 H鋼レール部品

今回加工した部品は、材質SUS303、厚み20mm、幅50mm、長さ1100mmの長尺H鋼レール部品です。レール部品は搬送装置や産業機械、物流設備など幅広い分野で使用される重要な構造部品であり、特にレールの真直度や平行度、穴位置精度が厳しく求められます。これらの要件を満たすためには、高度な加工技術と精密な検査工程が不可欠です。精度が確保されていないと、装置の動作不良や製品品質への影響が生じます。

本部品は、平面の両面からの段加工やタップ加工、さらに側面からの段加工が必要で、形状的にも加工難易度が高い製品です。そこで当社では、まず荒加工を行い、その後に歪み取りを実施し、中仕上げ加工で形状の安定化を図りました。

その結果、平面方向の平行度50ミクロン、幅方向の平行度50ミクロンという高精度を達成しました。当社は長尺かつ複雑形状のH鋼加工においても、豊富な経験と独自の工程管理により高精度な仕上がりを実現しています。

 

寸法 20×50×1100
材質 SUS303
精度 段の平行度0.05
特徴 H鋼レール・SUS303削り出し・平行度0.05
参考価格 168.000円(材料費別)

 

詳しくはこちら▶▶https://kikaibuhin-tuuhan.com/custom/3811/

 

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