五面加工機と縦型マシニングセンタの違い

長尺部品加工や大物・大型部品加工といえば、五面加工機と縦型マシニングセンタを想像される方も多いのではないでしょうか?今回は「五面加工機」と「縦型マシニングセンタ」の違いについて解説します。
五面加工機
五面加工機は主に3mから最大6mまでの大型ワークの加工に使用され、多工程を一度の段取りで完結させる能力により、生産性向上と高精度化に不可欠な設備と位置付けられています。また、その高い性能から、複雑形状部品や大型製缶構造品など、高付加価値な製品の加工において中心的な役割を担っています。
ただし、五面加工機での加工が常に最適解とは限りません。特に長尺加工においては、以下の二点が大きな課題となります。
課題①:時間チャージ高によるコスト増
五面加工機は、その高度な機能と構造から、設備投資額ならびに維持費が高額であり、結果として時間単価も高く設定される傾向にあります。
また、加工内容に対する設備の「オーバースペック(過剰性能)」である場合もあります。例えば、長尺材の端面加工や、上面からの穴あけといった比較的単純な加工に対して、五面加工機を適用した場合、その多面加工能力は活用されません。活用されない機能のために高いコストを支払うことは、製造原価を不必要に押し上げる要因となり、企業の価格競争力を損なう結果につながります。
課題②:技術的課題
長尺材は、その形状特性から、材料自体のねじれやたわみといった変形を起こしてしまう場合があります。こうした変形を抑制し、要求精度を達成するためには、機械性能のみならず、作業者の高度な技能やノウハウが不可欠です。
そうした課題に対し当社では、お客様の利益を最大化するため、長尺加工に対し、縦型マシニングセンタを使って加工をしております。
縦型マシニングセンタ
当社の縦型マシニングセンタでは0.5m~6mまでのワークの加工に対応しております。コンパクトな設計で加工スピードが速く、時間チャージも低コストなのが大きなメリットです。そのスピードと構造を活かし、長尺部品の加工などに強みを発揮します。
また、2m程度のワークは五面加工機にとっては小さく、効率が悪いですが、当社ではコストとスピードに優れた縦型マシニングセンタなどを活用し、お客様に最適なコストと納期を提供しております。縦型マシニングセンタのコンパクトな設計により、段取り(加工の準備)が素早く行え、加工スピードそのものもが高速であることから、作業時間が短縮され、時間あたりのチャージを低コストに抑えることができます。
当社の強み
当社では縦型マシニングセンタの特性を活かした「形鋼(かたこう)への追加工」を得意としています。H形鋼やLアングルに対し、これまで積み重ねてきた機械加工技術とノウハウ、そして長尺部品の加工に特化した加工設備により、お客様の長尺部品(大型部品)加工のニーズに対応いたします。