クリーン環境を実現するスリットエアーノズル
エアブローとエアーノズルとは？
エアブローとは、圧縮空気を対象物に吹き付けることで、異物除去や乾燥・冷却など、様々な目的を達成する技術の総称です。その効果を最大限に引き出すためには、加工の目的や対象物の形状に合わせたエアーノズルの選定が極めて重要となります。
つまり、目的に合わないノズルを使っていると、エアーを無駄に消費したり、品質にムラが出たりと、様々な問題が発生します。そこで重要になるのが、目的に特化したノズルの選定です。
スリット エアーノズルとは？
半導体業界や医薬業界の製造ラインでは、乾燥・除塵・冷却といった工程において、エアブローが欠かせません。その中でも「スリットエアーノズル」は、効率的かつ均一なエアー供給を実現する部品として、近年多くの産業現場で採用されています。スリットエアーノズルとは、その名の通り、細長いスリット状の噴射口を持つエアーノズルです。薄いシート状の対象物に対しても近距離から均一なエアブローができるため、洗浄後の水切り・乾燥工程、除塵・クリーニング工程などの製品の品質管理を向上させるのに貢献しています。
スリットエアーノズルの特徴
特徴①：均一で幅広いエアフロー
スリット構造により、直線的に広がる均一な風を供給できます。これにより、対象物の全体にまんべんなく風が当たるため、製品の洗浄後の水滴除去、製品表面の乾燥、ホコリ・異物の除去などを必要とする工程で効果を発揮します。
特徴2：省エネルギー
スリットエアーノズルは、少ないエアー量でも効果的なブローが可能です。これは、噴射効率の高い構造によるもので、通常の丸穴のエアーノズルと比較して、エネルギーコストを削減できます。
特徴3：設置の自由度が高い
スリットエアーノズルは、長さや材質を目的に応じて選択できます。さらに、複数本を直列に連結して使用することで、大型製品にも対応可能で、エアーの吹き出し角度や向きも調整しやすく、設備に柔軟に組み込めます。
当社のスリット エアーノズルの特徴
当社のスリット エアーノズルは、独自の精密加工技術により、軽量化による高精度化と、均一なエアー・液体吐出を実現いたします。
特徴①：アルミ採用による「軽量化」と「高精度化」を実現
スリットエアーノズルの材質にアルミニウムを採用することで、他の金属に比べて大幅な軽量化を実現いたします。これにより、装置全体の重量を軽減できるだけでなく、製品自体の重みによる「たわみ」も最小限に抑えられます。その結果、装置の高精度化にも大きく貢献します。
特徴②：均一な吐出を実現する「研削レス」と「真直度」の提案
液やエアーの吐出にムラが出てしまうという課題に対し、当社は「研削レス」での解決策を提案します。高精度かつ面粗度が求められる製品も切削加工で
お客様のご要望にお応えいたします。
製品もまた、2つの部品を組み合わせるスリットノズルにおいて最も重要な先端の真直度にも妥協はありません。反りがあると均一な吐出ができないため、精密な加工で完璧な直線性を追求しています。
特徴③：多様な材質に対応
軽量なアルミのほか、耐食性や強度に優れたSUS、チタンでの製作も可能です。お客様の用途や使用環境に合わせて、最適な材質をご提案いたします。
当社のスリット エアーノズルの製作事例をご紹介！
事例：長尺 スリット エアーノズル アルミA5052
長尺ノズルプレート部品、材質アルミA5052の、厚み40リ、幅40ミリ、全長2200ミリの加工事例です。平面に幅18ミリ深さ25ミリの溝加工と、側面に幅15ミリ深さ5ミリの溝加工をしています。また幅18ミリの溝内部にはザグリ加工、穴加工をしています。
スリット エアーノズルはアルミで製作することで軽量化が図れます。他の金属と比べ軽量なため、装置全体の軽量化が可能となります。
加工のポイントとしては熱伝導率が高いため切削時の熱による変形や内部応力による歪の発生が挙げられます。温度変化による伸縮の影響を受けやすいため、ピッチ精度の管理が重要です。
弊社では段階的な加工を行うことで応力を開放しながら歪を抑える様に加工します。溝加工部分も工具の選定や切削条件の最適化でネジレやビビりの発生を抑えることが可能です。
| 寸法 | 厚み40リ、幅40ミリ、全長2200ミリ |
| 材質 | アルミA5052 |
| 精度 | 幅18ミリ深さ25ミリの溝加工、側面に幅15ミリ深さ5ミリの溝加工。材料、工場、検査室の温度管理で高品質、高精度で仕上げます。 |
| 特徴 | 焼入れ後斜め仕上げ加工、穴加工、タップ加工、
ピッチ間精度±0.05 |
| 参考価格 | 142,000円(材料費別) |
