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高硬度長尺材(S55C-H)の加工改善のポイント

BEFORE

BEFORE

S55C-H(HS40 以上)のような高硬度材では、長さ3500mmの長尺加工になると切削が非常に困難になります。C20加工では、表層硬化により切削抵抗が大きく、工具摩耗が激しく、11時間程度で刃先が大きく損耗する状況が発生します。また、切削時の熱や内部応力の開放によって 0.5~1.5mm 程度の反り(歪み)が生じやすく、長尺かつ高硬度材の場合、この反りを修正することはほぼ不可能です。

AFTER

AFTER

溶断により材料表層が急熱・急冷されることで硬化し、切削性が低下していることが加工不良の主な原因と考えられます。そのため、溶断後に熱処理を行うのではなく、あらかじめ焼入れ・焼戻しが施された調質材(S55C や S53C-N)を使用する方向で材料調達方法を見直します。あわせて、主軸能力に適した工具の再選定と、C20 加工の切削条件・加工手順の見直しも行い、加工負荷の低減と工具寿命の改善を図ります。

POINT

S55C-H(HS40以上)のような高硬度・長尺材の加工では、工具摩耗と修正不可能な反り(歪み)が大きな課題となります。主な原因である「溶断」による表層硬化(切削性の低下)を避けるため、材料調達方法を変更し、あらかじめ熱処理された調質材(S55CやS53C-N)を使用します。あわせて、主軸能力に適した工具の再選定やC20加工の条件を見直すことで、加工負荷の低減と工具寿命の改善を図ります。

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